乾燥肌とは

乾燥肌とは、皮膚の水分と油分のバランスが崩れ、水分が不足している状態のことです。

本来、健康な肌は、皮脂膜という天然の保護バリアによって水分が蒸発するのを防ぎ、外部からの刺激から肌を守る働きをしています。

しかし、このバリア機能が低下すると、肌内部の水分が失われやすくなり、様々なトラブルを引き起こしやすくなります。

具体的には、以下のような状態が見られます。

・肌のつっぱり感やかゆみ: 水分不足によって肌が柔軟性を失い、突っ張ったように感じたり、刺激に対して敏感になりかゆみを感じたりすることがあります。

・粉吹き: 角質層の水分が極端に不足すると、表面がカサカサと剥がれ落ち、白い粉を吹いたような状態になることがあります。

・肌のごわつき: 水分不足によって肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が蓄積しやすくなるため、肌が硬くごわついたように感じることがあります。

・細かいシワ: 肌の水分量が低下すると、肌のハリや弾力が失われ、特に目元や口元などに細かいシワができやすくなります。

・化粧ノリの悪さ: 肌が乾燥していると、ファンデーションがうまく伸びなかったり、浮いてしまったりすることがあります。

・外部刺激に弱い: バリア機能が低下しているため、紫外線や摩擦、乾燥した空気などの外部刺激を受けやすく、赤みやかぶれなどの肌トラブルを起こしやすくなります。

乾燥肌は、体質や生活習慣、季節、間違ったスキンケアなど、様々な要因によって引き起こされます。ご自身の肌の状態を理解し、適切なケアを行うことが大切です。

乾燥肌の治療法

当院での乾燥肌の診断と治療方法

1. 丁寧なカウンセリングと肌診断:

まず、乾燥肌の原因となりそうな生活習慣、過去のスキンケアなどを丁寧にヒアリングします。

肌分析機を用い、肌の水分量や油分量、バリア機能などを詳しく測定することで、乾燥の原因やタイプを特定します。

2. 外用療法:

• 医療機関専売の保湿剤: 市販の保湿剤よりも高濃度で、セラミドやヒアルロン酸、アミノ酸などの保湿成分が配合されたクリームやローションなどを希望があればご提案いたします。肌のバリア機能を高め、水分保持力をサポートします。

• 抗炎症作用のある外用薬: 乾燥による炎症やかゆみがある場合は、保険診療にてステロイド外用薬や非ステロイド性抗炎症薬などを処方します。
• ビタミンA誘導体（トレチノイン、レチノールなど）: 肌のターンオーバーを促進し、角質層の水分量を増やしたり、ヒアルロン酸の生成を促したりする効果が期待できます。ただし、乾燥しやすい肌質の場合は、濃度や使用頻度を調整しながら慎重に使用します。

3. 施術:

• ケミカルピーリング: 薬剤を塗布して古い角質を優しく剥離し、肌のターンオーバーを促進します。これにより、ごわつきが改善され、保湿成分が浸透しやすくなります。乾燥肌の状態に合わせて、薬剤の種類や濃度を調整します。
• 特に乾燥肌の方におすすめのピーリング：ララピール
• イオン導入・エレクトロポレーション: ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、ヒアルロン酸などの保湿成分や美容成分を、微弱な電流や特殊な電気パルスを用いて肌の奥深くまで浸透させる施術です。
• 注入治療:
  • ヒアルロン酸注入（ボライトXC）: 乾燥が特に気になる部分にヒアルロン酸を直接注入することで、 保湿効果と肌のハリアップ効果が得られます。
  • 肌育注射（ジャルプロクラシック、ジャルプロスーパーハイドロ、ピンクグロウ）: 極細の針でヒアルロン酸やアミノ酸、ビタミンなどの保湿成分を皮膚全体に細かく注入する治療法です。肌全体の水分量を底上げし、ハリやツヤをもたらします。ジャルプロスーパーハイドロは皮膚を支える靭帯部に注入することでたるみを改善し、皮膚の水分量もアップさせ小じわの改善にも繋がります。

4. その他の指導:

• 正しいスキンケア方法の指導: 洗顔方法、保湿方法、紫外線対策など、日常生活でのスキンケアのポイントを丁寧に指導します。
• 生活習慣のアドバイス: 食事、睡眠、ストレス管理など、肌の乾燥に影響を与える生活習慣についてのアドバイスを行います。